1/200 イー58  乙型潜水艦              製作開始 2017−10       完成  2018-1

   

日本の潜水艦は 伊号(イ)1000トン以上、(最大艦はイ400型)  呂号(ロ)500トン〜1000トン、  波号(ハ)500トン未満、で区別した  

これ迄 木材で製作してきた 1/200の艦船ですが 今回は船体を プラバンで製作しました  資料は潮書房 日本海軍艦艇図面全集 1 を使用した           イー58 は昭和19年に作られ前甲板に飛行機格納筒や射出機が設けられていたが  翌年 回天を6基搭載できるよう 改装されている    海没処分された船体が五島列島沖で 平成27年に発見された
   

資料の図面は1/110なので いつものとおりパソコンを使って 1/200に縮小して原図を作る
昭和19年9月の新造時の状態

正面線図をコピーし 1.2mm厚 のプラバンに張る

プラバンを切り出す 中央の〇印は耐圧容器?の塩ビパイプを通す穴

塩ビのパイプに 仮に並べてところ

肋骨を固定 竜骨は桧角材 

船首部分はブロックを使わず 簡単な構造

耐圧容器と肋骨部分 接着は瞬間接着剤

側面板の貼り付け 0.8mm厚(0.3mmと0.5mmプラ板を接着)プラ板   接着はラッカーシンナー

船体底部 側面 約1/2を貼り付け

船尾部分

甲板を1mmの角材で製作  

写真ではわかりにくいが 潜水艦の甲板は空母と違い スノコ状 で隙間がある (約0.2mmの すきま を作る)

排水口を0.3mm厚プラバンで製作  エクセルで画いた四角の図を プリントする (1mm×2mm) 手書きで製図するより はるかに正確

上部は イー182  
イー400 は専用工具を製作した

飛行機格納筒と艦橋部分を作る

平成27年7月  海上保安庁の測量船「海洋」は 長崎県五島福江島 東南東約35km 水深約200mの 海底に20隻以上の船影を マルチビーム音響探査機で発見した 調査の結果   これらは昭和21年4月に米軍により旧海軍の海没処分された潜水艦24隻と判明した

イー36     イー47     イー53    イー58     イー156   イー157    イー158    イー159     イー162    イー366    イー367    イー402    ロー50    ハー103    ハー105   ハー106   ハー107    ハー108     ハー109    ハー111    ハー201    ハー202    ハー203   ハー208 

イー400 と イー401 は ハワイ沖で海没処分された船体が それぞれ 平成17年と平成25年に米国の潜水調査船により発見されている   

海上保安庁   五島列島沖に眠る旧日本海軍の潜水艦群     

艦橋に潜望鏡,短波用空中線をつける 前から第一潜望鏡(洋上索敵 雷撃照準用) 真ん中が第二潜望鏡(天測、対空監視用)

艦尾の上部縦舵と下部縦舵  船体のパテ盛りの状態

船首のパテもり の状態  木工パテを使った

パテもり 終了 プラサフを吹き キズのチェック

零式小型水上偵察機を製作  材料は朴の木片

主翼は1.0mm厚 尾翼は0.5mm厚 のプラバン

天風12型 空冷9気筒 のシリンダー を それらしく作る

塗装待ち    ほぼ 完成状態      2017-12-20

船体を研磨  キズをマーキング   塗装前の状態

排水口 は1mm×2mmの角穴の左右をドリル刃で丸くし 楕円穴に加工した 潜舵は0.5mmのプラバン

艦橋の前部のラッパ状の機器は22号電波探知機(レーダー)のアンテナ   第一潜望鏡の洋上に出る露頂部は敵に補捉されにくくするため外筒径は非常に細い

スクリュー、 推進器ガードを付ける  材料はいずれもプラバン

長波用無線マスト と 回天(一型)を2隻 乗せる

艦橋後ろに25mm連装機銃 ラケット状の機器は逆探知アンテナ 左端 は上空識別灯

飛行機射出機(カタパルトは火薬ではなく 圧縮空気を使用した) 

零式小型水上偵察機 天風12型 9気筒エンジンのシリンダーを表現する

艦橋 前面の円形の機器は方位測定儀(ループアンテナ) 短波アンテナ下に 従羅針儀がある

甲板上に 点検穴や排水弁出入り口などの切り込みを入れる 起倒式クレーンは立ち上がった状態を再現

塗装前の 回天一型
スノコ甲板は1mmのヒノキ角材を使い 0.2mmの隙間を作って工作した

両舷の排水穴は 市販の「アルミ パンチングメタル」を使用

艦底色を塗装    水上偵察機は カタパルトに乗せず 着水状態を表すことにした

塗装完了    船首艦底の半円形に並んだ穴は水中聴音機(ソナー)のセンサー

回天一型を黒色に塗装    船体の装甲板貼付の溶接跡はマスキングテープで表現した

製作中の 長波用ケージアンテナ (0.1mmφの軟銅線を6本束ねて製作中)   潜水艦との通信は約17KHZの超長波を使用した 国内の送信所は刈谷市 依佐見

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短波用アンテナに13号電探を接続して使用したという

撮影2018-1-18  長波のケージアンテナを取り付け 零式小型水上偵察機は風防を加工中

 奥から イー400  イー182  イー58 と 右端は 海龍

イー58 艦橋付近   手前は 海龍

撮影 2018-1-18 

2018-2-10 テレビ愛知  「おとなの秘密基地」 で製作過程が放映されました

奥は イー182     艦橋の後ろに 海龍 

実艦は終戦間際 テニアンに原子爆弾を運搬し帰国する途中の 「インデアナポリス」を雷撃し沈没させたことで有名

昭和20年7月29日 イー58は テニアン島へ原子爆弾を搬送 後 帰路についていた 重巡「インディアナポリス」を撃沈  「もしも」はないが 数日早ければ 歴史は変わっていたといわれる